日本トムソン株式会社は、半導体製造装置などに使われる直動案内機器やニードルベアリング、メカトロ製品などを製造し、世界各地へ販路を広げています。同社は2024年に「EM CLOUD」を導入したことで、効果を実感しているといいます。使用感や実際の効果などについて、経営企画課でサステナブル経営推進を担当し、経営戦略と結びついた環境対策を担う平山様にうかがいました。
Q. 導入される前はどのような課題を抱えていましたか?
平山 景太:導入前、本社のエネルギー管理は実質的に手つかずで、ISO認証を取得していた岐阜の生産拠点と比べ、環境意識は低い状況でした。2019年竣工の本社ビルは、コロナ禍による出社率低下で電力使用量の問題は表面化しませんでしたが、2022年頃のウクライナ紛争による燃料高騰や脱炭素化への要請を受け、電気プランの変更を検討したものの、年間およそ200万円の電気料金の増加が見込まれ、大きな課題となりました。
Q. EM CLOUDを導入した経緯や決め手を教えてください。
平山 景太:最終的に3社を比較検討しましたが、決め手となったのは価格の安さです。社内でのメンテナンス負担を考慮すると、サブスクリプション型の料金体系でお任せできる点も魅力的でした。また、従業員の快適性を損なうことなく省エネを実現したい当社の考えにも合致しました。当時はEM CLOUDがバージョンアップの時期で、当社の空調設備との相性調整が必要な部分もありましたが、柔軟な対応をしていただけたので助かりました。
Q.導入後はどのような効果がありましたか?また操作感や見やすさはいかがですか?
平山 景太:EM CLOUDの画面は、視覚的にとても分かりやすいと感じます。電気使用量や削減量が一目で分かり、空調で制御している部分と非制御部分の電気使用量の違いも一瞬で分かります。電気料金の情報を登録すると、削減金額が即座に表示される点も便利です。2024年6~7月頃から本格稼働したのですが、気象条件がかなり厳しい年(酷暑)だったにもかかわらず、比較的穏やかだった前年に比べて、電気使用量は2%増程度に抑えられました。コロナ禍からの回復でオフィスの稼働率が上がっていることも考えると、大きな効果があったと実感しています。
また特筆すべきは、導入後、従業員からの不満の声がないことです。暑い、寒いの声もなく、空調制御されていることも意識せずに普段通りの業務をこなせています。職場環境が維持された中で省エネが達成できている点が、非常に有難いです。CO2排出に関しても電気使用量自体を下げることで最小限の増加に抑えられていますし、マテリアリティ(重要課題)である「豊かな地球環境の実現に向けた企業活動の推進」の達成の観点からも、EM CLOUD導入は重要だったと考えています。
Q.今後「EM CLOUD」に期待したいことは何ですか?またこのシステムを活用した御社の展望も聞かせてください。
平山 景太:EM CLOUDの情報をリアルタイムで社内発信できるのが、この取り組みをさらに効果的にすると思うので、動作をよりスムーズにすることやシステム自体の早い更新などを期待しています。(※2025年5月時点では解消)また本社での取り組みを受けて、他の営業拠点でも展開できないかという声が社内から上がっています。テナントでも使えるソリューションを提供していただけると嬉しいですね。省エネ効果の見える化はなかなか難しいですが、EM CLOUDはそれを一瞬で可能にしてくれるので、社員の環境意識の醸成につながるとも感じています。
EM CLOUDは、使用するほど省エネ効果が累積していきます。浮いた費用を新たな再エネ調達の投資に還元し、自社の脱炭素化をさらに加速できればと考えています。当社では、中期経営計画の中でも社会的価値と経済的価値の融合による企業価値向上を掲げています。こうした環境への取り組みを製品の新たな付加価値やブランディング等に活用し、企業価値を高めていけたらと考えています。また、取引先様とのエンゲージメントにおいて、EM CLOUDのような省エネシステムも提案し、サプライチェーン全体のCO2削減による競争力強化にもつなげていきたいと思います。
EM CLOUDの導入により省エネ対策の手間が省けたため、本業に集中できる環境が整ってきました。
ムダカラさんには、丁寧なご説明やEM CLOUD以外の相談へのご対応など、寄り添ったサポートに感謝しています。今後も絶対的な信頼のもと、さまざまなご提案をいただきながら事業に活用していきたいと思っています。
東京都港区高輪2丁目19番19号
従業員数: 2431名(グループ合計)
「ニードルベアリング」「直動案内機器」「メカトロ製品」を三本柱として国内・海外に拠点と販売網を持ち、高い技術力で産業界に貢献する国際的機械部品メーカーです。機械の回転部分に組込まれる「ニードルベアリング」、搬送や位置決め機構として使用される「直動案内機器」、直動案内機器と駆動部品、電装品などを組合せ精密位置決め装置として使われる「メカトロ製品」これらの開発・製造・販売を柱として事業を展開しています。